企業の新規事業開発を共創的に行うフィンチジャパンは、コロナ時代のオフィスを「働く場」から「集まる場」に再定義するため、「オフィス木質化プロジェクト」を開始しました。
コロナ禍によるリモートワークの普及でオフィスの役割が大幅に変化する中、フィンチジャパンは、オフィスの価値を従来の「働く場」から、仲間がリラックスして集うことで新たなアイデアが生まれる「集まる場」と再定義しました。このプロジェクトを通じて、コミュニケーション機会の減少や意思疎通の分断といったコロナ時代の働き方の課題を解決することを目指します。「オフィス木質化プロジェクト」の第1弾として、フィンチジャパンのオフィスを木質化しました。
このプロジェクトには、日本ユニシス株式会社など、オフィスのあり方と空間の見直しを進める全国の8社が参加しており、今後も広く参加する企業や個人を募集します。オフィス木質化の推進は、大きな社会課題となっている国産材の有効活用に貢献することにもつながり、持続可能な地域経済の実現にも寄与していきます。
これまで日本企業はオフィスという場を中心に事業運営や働き方を設計してきました。オフィスに設備や資源を集約し、同じ時間、同じ場所で働ける人を確保することで競争力を保ってきましたが、そのようなオフィス集約型の働き方はコロナ禍で一変しました。
在宅ワークが一般的になり、通勤時間が削減され、オンラインミーティングの活用が進むなどして一定程度の効率化が進みました。一方で、雑談や仕事上の何気ないやり取りによるアイデア創発やイノベーションの機会が失われるといった課題も顕在化してきています。
フィンチジャパンは、それらの課題を解決しつつ、在宅ワークとオフィスワークのそれぞれの長所を活かすため、オフィスを「働く場」から「集まる場」へと転換させていくことが必要であると考え、オフィスの木質化に取り組むことにしました。
オフィス木質化の最大のメリットは、空間に「コミュニケーションを弾ませる温かみ」や「ひらめきにつながるリラックス効果」が生まれることであると、本プロジェクトのメンバーは考えます。また、自然との共生を実感することで、快適に働けるようになるだけでなく、これまでになかった視点や視座で物事を考えられるようになるといった効果も期待されます。
オフィスを木質化するにあたり、さらに付加価値を高める取り組みとして、日本の国産材の活用が挙げられます。
住宅やオフィスを検討する人が国産材と聞くと、「国産=高級品」「外国産=安価」という固定概念に繋がりやすいため、国産材に対して「高くて手が届かない」というイメージを抱いてしまいますが、実はそうでもありません。
国の統計によると、国産材のヒノキ材は、確かに外国産よりも高いものの、大きな価格差はありません。また、国産材のスギ材に至っては、外国産よりも安価です。船舶による輸送コストを勘案すると、近隣から調達できる国産材の方が、より安く購入できることもあるでしょう。
香りや手触りなど付加価値の高い国産材は、流通の仕組みを整えて需要創造を行うことで「国産材は高い」という固定概念が変わり、日本の国産材がさらに広く普及し、持続可能な地域経済の実現にも寄与することが期待されています。
多くの企業とともに、新規事業を開発する「ビジネスフロンティア開拓事業」を行うフィンチジャパンは、木材を取り扱う商社やオフィスの空間や有り方の見直しを進める全国各地の企業や個人と連携することで、外国産の木材に依存せずに日本の国産材を積極的に活用し、流通と需要創造を行う「オフィス木質化プロジェクト」を開始します。プロジェクト開始時点では、8社が参加を表明しました。
参加する8社からのコメントは次の通りです。
当社においては、SDGsの推進、及び地方創生の観点から、かねてより国産木材の利用拡大に着目しており、岐阜県での異業種連携の実証実験などを通じて、木材流通の効率化・合理化と利用の拡大に向けて取り組んできました。フィンチジャパン様ともオフィスを皮切りに、様々な分野での需要創造を通じて、異業種をつなぐ流通プラットフォームの実現や、新業態・ビジネスモデルの開発などを進め、さらなる国産木材の利用拡大を進めていく所存です。
当社は、フィンチジャパン様の木質化オフィスのプロデュースを担当しました。SECAIは、“文化で、世界を変える企業”を掲げていますが、木の有効活用は日本文化そのものだと考えています。自然を取り入れたオフィスは世界中で増えてきており、今回のプロジェクトを通じて、木質化オフィスを日本が誇る文化まで広めていきたいと思います。
設計の最前線にいる身として、国産材活用は社会課題として認識しつつも、実務での活用に一歩進んでいませんでした。今回フィンチジャパン様のオフィスの設計を担当する中で、SDGsが掲げられている社会の中で国産材活用は一層有意義な選択肢になってきたと理解しました。今回の取り組みを通じて、弊社も素材開発の協力や発信に務めてまいりたいと思います。
当社は、“愛情を表現して居場所を創る”をビジョンに掲げ、木製家具の制作や木質化オフィスの設計を手がけています。今、ウィズコロナ・ポストコロナ時代に向けて木質化オフィスの需要が大きく増えていることを、最前線にいて実感しています。近い将来、温もりのある居場所としてのオフィスが当たり前になることを実現したいと思います。
この国の豊富な森林資源が健全に維持されること。そのためにも森林の価値をもっと高め、生み出される国産材を適材適所で活かすような社会環境を創っていくこと。そのようなことを狙って仲間とともに活動しています。サステナビリティが強く求められている世の中で、国産材の活用を軸に、森林を取り巻く産業の再設計に貢献できればと思っています。
フィンチジャパンは、昨年3月から始めた在宅ワークを通じ、業務内容によって、移動時間の削減効果や仕事の生産性向上に効果があることを確認しました。その一方で、プロジェクトメンバーが離れて作業することで、コミュニケーション機会の減少などの課題があることがわかりました。木質化オフィスを導入し、チームのセレンディピティへの寄与を目指します。その上で、現在、大きな社会課題となっている国産材の有効活用に貢献するために、国産材を多く活用し、国産材を気軽に資材として使える環境を整えていきたいと思います。
当社は、1918年の創業以来、岐阜県の材木屋として、木材を使った健康で快適な空間を提案してきました。岐阜県では行政や学校、林業者、工務店等異業種とともに顔の見える木材サプライチェーンを構築・運営し、良質でサステナブルな木材活用を促進する活動を続けています。フィンチジャパン様とは2018年ごろから国産材活用について議論を交わした関係にあり、今回の木質化オフィスにも岐阜県産の木材をご提案しました。今後もさらなる協業で国産材の普及、利用促進を実現できればと願っています。
昨今、木材を活用した意匠設計が増えてきているように強く感じます。木の持つリラックス効果の認知が広がっているのかもしれません。コロナ禍でオフィスや店舗のあり方に変化が起きると思います。施工の視点から国産材を選ぶ良さと課題を熟知しています。これらの知見を生かして、日本の資源である木材の活用を推し進めていきたいと思います。
今回は、プロジェクト第1弾として、フィンチジャパンのオフィスを、国産材を使って全面的に改修しました。肌に触れるテーブルや書棚、来社した客人をもてなすロビーの椅子の背もたれ、大きな面積を占める壁面などに、岐阜県産のヒノキ材をふんだんに使い、オフィスに出向きたくなる空間に仕上げました。木材の雰囲気に合うよう、壁の一部にはヤマガタヤ産業株式会社が開発した「モックン」という木の塗り壁材を使用しています。
株式会社フィンチジャパンは、大手コンサルティング会社出身の代表の髙橋広嗣が、企業の新規事業という「ビジネスフロンティア」を企業とともに開拓することに使命と意義を感じ、2006年に設立した会社です。企業の新規事業とは、既存事業の延長ではなく、企業がこの先も存続するための経営資源を増やすことであるという考えのもと、新規事業開発に対する独自の理論を構築し、企業の新規事業立ち上げ支援や、自らスタートアップに投資することによる新規事業開発を行っています。
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