アプリ開発の進め方6〜納品と運用

アプリ開発2022.04.13

テストが無事完了するとアプリ申請、納品、そして運用フェーズに入る。

ようやく安心できるところまで来たと言ってよいが、最後の山として「アプリ申請」があり、審査が通ってリリースできたら納品完了、そして今度は長い旅になる「運用」が待っている。

順に詳しく見ていこう。

納品前の最後の山、アプリ申請

アプリの開発、テストが完了した状態でアプリは出来上がっているが、アプリ申請前に納品完了として扱うことは避けるべきだろう。

なぜなら、Appleの場合、いくらアプリが動作していても申請が通らず「リジェクト」される可能性が高く、リジェクトによってアプリの修正が必要となる場合が多いためである。

シンプルな構造、シンプルな内容のアプリは審査が通るのは早いが、アプリ内決済があったり、個人情報やヘルスケア情報を扱ったり、Appleのレギュレーションを守っていなかったり、申請が初めての場合などは一回で審査が通らないと思ったほうがよい。

リジェクトの指摘が小さな修正で済む程度なら良いが、場合によっては構造変更や設計の再検討が必要になることもあり、開発会社にはリジェクト対応に付き合っても貰わねばならない。

そのため、審査が通って初めてプロジェクト完了、納品として扱うべきなのである。
そして、予め審査期間として少なくとも2〜3週間を確保したスケジュールを組んでおく方が良いだろう。

Androidの場合、申請は機械的に処理されるため特に心配する必要はない。 

納品でなにをすべきか

大抵の場合、Apple申請を行って審査が通るまでに時間がかかるため、その間は手が空くことになる。その時間を活かしてドキュメント類などの納品物の確認に充てると良いだろう。

納品の際受注側で行なうことはおよそ下記である。

  • 納品物の確認
  • 検収

当初RFPで要求したもの、RFQで記載のあったものなど、契約の際に取り決めたものが揃っているか、内容は最新かなどを確認し、検収準備を行なっておく。

運用とはなにか

アプリの審査が通ればアプリのお披露目となり、運用フェーズに入る。
運用とはアプリを「維持・改善・成長」させていく工程である。ユーザーの獲得と維持を望むのであれば、サービスを終了させないかぎり永遠に続く作業となる。

運用で行うこととは

どのようなことを運用として行なっていくのか一例を見ていこう。

  1. バグ修正
  2. ユーザーレビューの確認
  3. クレーム対応
  4. アクセス解析、ログの確認
  5. OSのバージョンアップ対応
  6. 機能改善
  7. サーバーメンテナンス

少し詳しく確認していく。

1.バグ修正

テスト工程を経たといっても、多くのユーザーが使って初めて発見されたり、発生したりするバグもある。

そのため、発見されたバグは逐次修正していく。

瑕疵担保の期間であれば、殆どの場合開発会社はプロジェクトの予算内で対応してくれるだろう。

2.ユーザーレビューの確認

レビューによってインストールをやめるというユーザーが発生しないよう、B2Cの場合は特にユーザーレビューを気にしておく必要がある。

ダウンロード数が多くなればなるほどアプリに対する不具合や、改善要求、非難など諸々書かれていくことになるだろう。

それらひとつひとつに一喜一憂する必要はないが、下記観点で内容のチェックはしておこう。

  • 修正対応すべきものがないか
  • 今後の新機能のアイデアの種がないか

3.クレーム対応

アプリ内に問い合わせ機能を設けている場合や、問い合わせ用のメールアドレスを調べ、クレームや問い合わせが送られてくることがある。

その場合は可能な限り迅速に返答しよう。わざわざ問い合わせを行うユーザは、対応が悪いとレビューで酷評する場合もあるため注意が必要だ。

4.アクセス解析、ログの確認

アプリをリリースして暫く経ったら、ストアの管理者用画面で

  1. ダウンロード数
  2. 削除数
  3. クラッシュ回数

などを確認しよう。

1、2は、どのように変化しているかを確認することで、今後のプロモーションや戦略に使うことができる。

3は、知らないところでアプリがクラッシュしているようなことがないか、回数が多い場合は不具合として調査・修正が必要な箇所があると思った方が良いだろう。

5.OSのバージョンアップ対応

時々発生する事象として、最新OSでアプリが動かないということがある。

デベロッパーは事前に最新OSで動作確認できるため、アプリが問題なく動作するかを確認しよう。

アプリの動作に問題がある場合は対応を行い、一般向けにOSが公開されるタイミングでアプリのバージョンアップができるようにしておきたい。

6.機能改善

ユーザーは、バージョンアップがコンスタントに行われていると「成長しているアプリだ」「運用されているアプリで使い続けて問題ない」と認識する。

そのため、2や3で得られた情報によるバージョンアップや、元々計画していたバージョンアップなど、バージョンアップはこまめに行なっていこう。

7.サーバーメンテナンス

アプリだけで完結するサービスの場合は関係ないが、多くの場合サーバーと通信してサービスを実現しているだろう。

その場合、サーバの監視やセキュリティアップデート、ログの収集やチェックなどの運用も発生する。

開発会社に運用して貰うケースが多いため、その場合は月次レポートなどを出してもらうと良いだろう。

以上、全6回シリーズで各工程に分け「アプリ開発の進め方」を解説してきたが、説明しきれない部分も多くある。

疑問に思ったところや興味が湧いたところなど、是非深堀りして検索してみたりして、さらに知識を深め実務に活かしていただければ幸いである。

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